ビジネスフォンと主装置の関係とは?
ビジネスフォンとは、家庭用電話機と比べると電話をする時に押すボタン以外にたくさんのボタンが付いている、オフィスでよく見かけるアノ電話機のことです。
皆さんはビジネスフォンで通話をするためには、電話機を用意するだけはダメなことをご存知でしょうか?
実はビジネスフォンを使用するためには、主装置と呼ばれる装置を設置し、そこへ電話機を接続する必要があるのです。
ご承知の通り、家庭用電話機は電話機本体に回線コードも付随して販売されています。
それを家電量販店やネットショップなどで購入し、壁に設置してあるモジュラージャックに差し込めば電話が使えるようになります(もちろん、電話回線の契約は必要ですが)。
しかし、ビジネスフォンはそう簡単ではありません。
ビジネスホンは電話機本体と主装置を接続することではじめて電話回線への接続が可能となります。
そして、この接続には基本的に専門家による工事が必要です。
つまり、ビジネスフォンは電話機と主装置の総称であり、ビジネスフォンの中核をなすメイン機器は電話機ではなく、むしろ主装置の方なのです。
主装置が担う2つの大きな役割
主装置が担う役割は大きく2つあります。
1つは電話交換機として外線と内線を繋ぐことです。
電話機本体と電話回線を直接繋ぐのではなく間に主装置を置くことで、限られた回線を多くの人が有効活用できるようになります。
出典:OFFICE110
もう1つは、内線交換機として事業所内での内線のやり取りや、電話の保留や転送といった多角的な使用を可能にすることです。
主装置の内部には、外線用と内線用という独立したユニットが差し込まれており、外線と内線にそれぞれ異なるコール音を設定するなど、オフィスでの使い方に合わせて設置を変えることができます。
しかし、こういった設定を行うには専門的な知識が必要です。
そのため、ビジネスホンの導入とそれにともなう配線工事の際に、専門のスタッフ(工事人)に依頼する必要があります。
出典:http://www.ei-com.co.jp/cathand/detail-422301.html
主装置の内部は写真・上のようになっています。
これを見ただけで「素人には手が出せない」ということが分かっていただけるのではないでしょうか。
電話だけじゃない!主装置はオフィスの中心機器
「ウチの会社で主装置を見たことがない」と言われる方がいるかもしれません。
しかし、主装置内蔵型の電話機を使っているといった特殊な場合を除いて、複数の電話機を設置しているオフィスでは主装置が設置されてるはずです。
電話機本体に繋がっている線をたどっていってみてください。
オフィスの隅や隠れた場所などにきっと設置されているはずです。
すべてのビジネスフォンは主装置によって制御されています。
主装置は
- ME(エム・イー)
- 電話交換機
- 内線交換機
などと呼ばれることもあります。
「ME」は英語表記の「Main Equipment」の頭文字を取った呼び方で、この表記からもビジネスフォンが主装置を中心としたシステムであることが分かります。
前項で、‟2つの大きな役割があります”と書きましたが、実はビジネスフォンは一般的な電話交換機としての使い方だけでなく、PCやその他のオフィス機器に接続し、制御することもできます。
こうした汎用性の高さが主装置のメリットですが、接続する台数や種類が増えれば、その設定方法はかなり複雑になり、簡単に変更することが難しい状況になります。
そのため、導入時には運用方法を固めた上で最適な主装置のモデルを選定し、専門スタッフによるプログラミングを組む必要があります。
下の写真は、ビジネスフォンメーカーであるサクサ(SAXA)がウェブ上で表示しているビジネスフォンの接続図です。
主装置は電話回線だけでなく、FAXやドアフォン、ネットワークカメラなどもまとめて制御できることが分かります。
出典:サクサ(SAXA)
オフィスの外からやってきた電話回線を収容し、オフィス内の電話機につなぐ役割はもちろん、主装置は各電話機のデータや設定を共有・コントロールする機能も搭載しています。
主装置の内部でその設定を変更することで、それぞれの電話機を別々に設定することも、接続されたすべての機器の設定を一括変更することも可能です。
ビジネスフォン・主装置選びのポイント
主装置と電話機は同じメーカー・機種でないと×
ビジネスホンは「主装置は〇〇というメーカーの製品で、電話機本体は△△というメーカー製」というチョイスは、基本的にできません。
同一メーカーの主装置と電話機本体のセットで検討する必要があります。
まず決めなければいけないのは「台数」
それを踏まえて…。
ビジネスフォンの導入を検討する際、まず考えなければいけないのは設置台数です。
不要な電話機を購入するのは無駄遣いという理由ももちろんありますが、主装置にはその種類によって接続可能な台数に上限があるからです。
主装置さえあれば、何台でも接続したり外したりできるというわけではありません。
ですから、仮に上限いっぱいの台数でも少し足りない(俗にいう「電話がパンクする」という状態になる)ようであれば、最初から上のスペックの主装置を導入しておいた方が無難です。
どうしても上限を超えた台数が必要となれば、主装置を買い替えなければいけなくなるからです。
将来的な増設の有無も検討要素に加えてることをおススメします。
次に考慮すべきは「機能」
次に考えるべきポイントは、ビジネスフォンの機能です。
例えば、オフィスを留守にしがちという場合は、外線を自動で携帯電話やスマートフォンに転送してくれる機能が便利です。
主装置の役割を把握し、必要な機能を備えた主装置(ビジネスフォン)を選ぶことが重要です。
「こんな使い方をしたい」「こんな機能があったら便利」などの要望を販売業者に相談してみてください。
ビジネスフォンの電話機を「デザイン」で選ぶのはアリ!
電話機本体のデザインや色などでビジネスフォンを選ぶことは決して悪いことではありません。
オフィスに合ったものや、利用者の好みは大いに反映させるべきだと思います!
また、主装置に接続できる電話機は様々な種類が用意されているので、こちらも購入業者に相談してみてください。
中古のビジネスフォンという選択もアリ!
中古の主装置(ビジネスフォン)は低価格が魅力です。
メーカーや機種をよく確認し、不明な点は販売業者にしっかりと問い合わせてから購入すると安心です。
詳しくはどちらを選ぶ? 新品と中古品の違いをご覧ください。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
主装置の存在を知ったことで、ビジネスフォン=電話機というイメージは払しょくされたのではないでしょうか。
近年のビジネスフォン…というか、主装置はスペックが向上し、転送制限や優先順位の設定、コール音の変更など、オフィスの要望に細かく応える機能が数多く搭載されています。
導入費用との相談はもちろん必要ですが、ビジネスフォンの導入はさらなる業務効率化や業績向上を後押ししてくれるはずです。
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